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言葉の感性

  • 2010/09/16(木) 20:37:40

法律の世界で生きていく上で必要な要素の一つが言葉の違いに対する感性だと思います。
というのも法律文書ではちょっとした言葉の違いに何らかの意味が込められていたりするわけで、そこに気づけるかどうかで法律家として大成できるかどうかも決まるように思います。
こんなことを偉そうに書いている私は感性が無いのでスピンアウトしたわけですが。

なぜこんなことを書くかというと、唐律でも現代法と同じようにちょっとした言葉の違いに意味が込められていたりするのです。
律文にはいろいろな犯罪の類型が書かれていますが、その量刑は条文ごとにいちいち定められているわけではなく、窃盗と同じとみなすというように他の条文を参照することが多々あります。
ここで「窃盗を以て罰する」と「窃盗に準じて罰する」と「窃盗の法に依る」ではまったく意味が変わってくるのです。
ちゃんと名例律にも言葉の定義として書かれていたのに一部おざなりになっていました。

というわけでもう一度テキストを頭から読み直す必要が出てきましたが、今回はターゲットになる文字がはっきりしていますので電子ファイル化してある唐律疏議から検索で一気に拾えるかな?と思っています。
電子版のテキストというのは味気ないというか、目に入ってくる力が無い気がしてあまり好きではないのですが、こういう時だけは便利ですね。
あんな膨大なテキストを全文入力していくなんて途方も無い作業をしてくれた見知らぬ誰かに感謝です。スキャンしてOCRってわけでもなさそうですし、誰がどれくらいの日数を掛けて入力したのかとても気になります。

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唐律を扱うことについて

  • 2010/01/10(日) 13:37:56

新刊の予定は上にもある通り、唐律についての本です。

おそらく中国史に興味がある方の半数以上は三国志に集中しているので三国志じゃないのかとがっかりされた方も多いかと思います。
楽史舎では『宙の世界』という中国の星図を製作しましたが、その際に最も多かった問合せがいつ頃の星図ですか?というものでした。
ありがたいことに中国の星座は晋の頃にはほぼ確立していたことが間違いなく、漢末も大差なかったといえるので後漢末でもほぼ同じですと答えられたのですが、律令に関してはそれも難しいものがあります。

ただ、唐律を知ることにはいろいろな意味があります。
まず重要なのは、唐律がそれまでの法律の集大成であるということです。
法律が時代によってさまざまな変遷を経ているのは事実ですが、九章律が成立して以来、法律の体系というものは大きく変化していません。
また、漢から晋の間というのは、原始的な肉刑(去勢や脚切り)が廃止され九品官人法ができあがるなど、後の法律・制度に大きな変革を与えた時代でした。
天文学ほどではないものの、法律もまた晋の頃にはほぼ形ができあがっていたと言っても良く、その後は時代に合わせて手直しが施されたようなものです。唐律を知れば昔の法律がどのようなものだったのか、ある程度推測することができるはずです。
※漢代の法律はここ最近の出土品(二年律令)などからある程度分かってきています。
 専修大学がプロジェクトを組んで翻訳しているようです。

 
次に、日本の律令の基礎になったものでもあります。
ご存知の通り、日本は国家を形作るに当たって遣唐使を派遣し、ありとあらゆるものを吸収しようとしました。
したがって日本の政治制度・法律は唐の丸写しでもあります。
事実、唐律は『唐律疏議』として現存しますが、唐令は現存しておらずその内容を推測する第一の資料が日本の「令義解」です。
日本では武士が勝手に自前の法律を作るようになって律令はあっという間に形骸化していきますが、それでも平安時代辺りまでを知る上で重要な資料であることは間違いありません。

そして、法律は道徳や価値観を表現しているものでもあります。
唐律を読むことで当時の貴族や女性、奴隷などの地位、皇帝や父の権威などがはっきりと分かるようになっています。これらについても恐らく三国志の時代から相違ないはずです。
彼らの行動の裏にある価値観を知っていただければ、新たな視点が見つかるのではないかと思っております。

以上、長々と言い訳を書き連ねてきましたが、魏・呉・蜀の法律は何も見つかっていないので知りようが無いというのが実情です。
曹操の墳墓から見つかりでもすれば大ニュースだったのですが…

(さんがつ)

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