改めて東洋法制史というカテゴリ
- 2011/04/30(土) 01:27:48
どうやらこのブログには「東洋法制史」というキーワードで来られた方が多いようで、なぜだろうかと「東洋法制史」でググってみたら大学のゼミのホームページやら研究書に並んで2ページ目に表示されてたんですね。いかに東洋法制史を語る人間が少ないかということを図らずも証明してしまったようです。
もしかしたらこれからゼミを選択する学生さんが何か情報を得ようと調べられたのかもしれません。そういう方に後押しの意味も込めて少し思う所を。
東洋法制史が気になっていて、日本史や中国史がもともと好きな方であれば迷わず選んでいいと思います。
<理由1>
実学じゃないことを気にされる向きもありますが、社会に出て役に立つ学問なんてことを考えているなら経済学部に進まなかった時点で負けです。ごく一部の職業でなければ法律の知識がそのまま社会で役に立つなんてことはまずありません。
高尚に見える憲法や刑法だって常識レベル以上の知識を持っていて役に立つことなんてないですよね?それにそれらのゼミもテーマは実用論からかけ離れたものだったりするので大差ありませんし、実生活の法解釈に学部レベルの生兵法で首を突っ込むとえらい目に遭いますのでプロに任せましょう。
<理由2>
民主主義でない国家の法律を知るというのもなかなかできない貴重な経験です。海外に行くと日本の良い所が分かるというのが定説であるなら、外国の法律が分かればそれによって日本の法律の良い所・悪い所も見えてくるはずです。
<理由3>
中国は今まさに発掘ラッシュです。ご存じの通り、ここ最近でも曹操の墓や曹休の墓が新たに発見されましたし、それ以外にもいろいろ墓が見つかってまして、法律文書の竹簡やらが大量に出土したりしています。これは新しいテーマが勝手に湧いてきているようなものです。
法学というとどうしても実社会に近いイメージがあって本当にみんな実学指向圧力が強い世界ですが、変なテーマを扱って、就職活動の面接でなぜ東洋法制史を選択したかをうまく説明できればアピールになるかもしれません。自分アピール苦手なんだよなぁという方はキャラ付けにいかがでしょう?
と、まじめに研究されている方には失礼千万な物言いですが、やってみると面白い世界ですので是非お越しくださいませ。そして私が気になってしかたない秦律の研究をやっていただければ。本当に誰か分かりやすくまとめてください…
(さんがつ)