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十干十二支をマスターするために
- 2018/04/27(金) 21:34:36
今年初めてのブログ更新です。明けましておめでとうございますとでも書くべきでしょうか?
さて、先日の三国志研究会・愛知で「いつか書きたい三国志」の佐藤ひろおさんが干支について解説をして下さいまして、それからつらつらと考えてみたんですが、干支ってちょっと覚えればそれほど難しくないし、役に立つよなと。
※三国志研究会・愛知はガチな研究者の人から三国志に興味があるという人まで幅広い参加者層で、研究会という名の殺伐とした殴り合いみたいなことも無く、安心して参加できるイベントです。
なによりテーマはもとより脱線から広がっていく話がめちゃくちゃ面白いのでおすすめですよ。たまに私もしゃべってます。
なによりテーマはもとより脱線から広がっていく話がめちゃくちゃ面白いのでおすすめですよ。たまに私もしゃべってます。
干支でよく知られているのは壬申の乱とか戊辰戦争とか、甲子園とかじゃないかと思います。ちなみに今年(2018年)は戊戌(つちのえいぬ)です。
まず支は十二支なので説明するまでも無いですよね。今年は戌年ですので年賀状で犬の絵を描いた人も多いはず。
干はあまりなじみが無いかもしれません。甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の十干です。昔は成績の評価を甲乙丙丁で表したそうですが、今では使われなくなりました。焼酎の甲種・乙種くらいでしょうか?そういえば艦これで改二乙とか丁とかあるのもこれです。
暦で使われる干支がどうなっているかというと、十干の甲乙丙丁…と十二支の子丑寅卯辰巳…をそれぞれ順番に組み合わせていきます。
つまり最初はそれぞれ1番目の甲と子で甲子、次はそれぞれの2番目の乙と丑で乙丑となり、それぞれの10番目の辛酉、次は干は1番目に戻り甲、支は11番目の戌となって甲戌となります。これをずーっと続けていくと60番目に10番目の癸と12番目の亥を組み合わせた癸亥となり、次は両方とも1番目に戻って甲子となります。60歳で還暦というのも60歳になると干支が一周して生まれた年と干支が同じになることから来ています。
今ではほとんど意識されませんが、年だけでなく日付にも干支は割り当てられています。『三国志』とか古い歴史書に「4月丙午」とか書いてあるのがこれです。ちなみに2018年4月27日だと己丑です。とはいえ今だと土用の丑の日くらいしか使わないかもしれません。

と、ここまではWikipediaでも書いてあるような話ですが、歴史マニアとしてちょっと違う自分を演出するために干支の順番を覚えたいという方もいらっしゃるでしょう。
※大正生まれの祖母は学校で暗記させられたそうです。ちなみに干支の次には歴代天皇を暗記だったそうで、干支なんかまだ楽な方だとか。
とはいえやみくもに順番を覚えようとしても大変です。そこで覚えるためのヒントをまとめてみました。
干支の法則
①十干と十二支はどちらも偶数なので、奇数の干と偶数の支が組み合わさることはありません。
丙午を「ひのえうま」と呼ぶように十干はきのえ・きのと・ひのえ・ひのと…と呼んだりしますが、木・火・土・金(か)・水と兄(え)・弟(と)の組み合わせになっています。つまり、甲乙は木の兄と弟、丙丁は火の兄と弟というように2つずつのペアになっています。
十二支もこれと対応するように子丑、寅卯、辰巳、午未、申酉、戌亥のペアにすると、ペアの前が十干の兄、後ろが十干の弟と組み合わされるのが分かりやすいかと思います。
②10増えるごとに支は2つ戻ります。
1番目の甲子から10増えると再び干は甲に戻りますが、支は11番目の酉となります。では21番目はどうかといえば干はまた甲で支は9番目の未となります。
つまり、最初の①甲子②乙丑③丙寅④丁卯⑤戊辰⑥己巳⑦庚午⑧辛未⑨壬申⑩癸酉だけ覚えてしまえば10,20,30といった上の桁にあわせて支をずらせば良いことになります。
※これを覚えるのが大変なんですが。
ためしに丙午が何番目になるのか考えてみましょう。丙なので順番の下一桁は3です。3番目は丙寅ですが、寅の2つ前は子、その2つ前は戌、その2つ前は申、その2つ前が午です。つまり40ずれていることになりますので、丙午は43番目ということが分かります。
丙午から28年後の干支は何かと考える場合も、43+28=71なので干は甲と分かります。支は28を12で割った余りが4なので、午から4つ後の戌となり、甲戌であることが分かります。
丙午から28年後の干支は何かと考える場合も、43+28=71なので干は甲と分かります。支は28を12で割った余りが4なので、午から4つ後の戌となり、甲戌であることが分かります。

年号と干支の計算
このルールを覚えておくと日本史や東洋史の年号は少し楽になります。
というのも、十干は10年で一周します。つまり、2018年が戊であれば2028年も戊ですし、遙か昔の208年だって戊なのです。
年に限って言えば甲=4、乙=5、丙=6…壬=2、癸=3という関係は変わりませんので、甲=4さえ覚えておけば年の下一桁を見るだけで十干を当てはめることができます。
甲 | 乙 | 丙 | 丁 | 戊 | 己 | 庚 | 辛 | 壬 | 癸 |
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 |
そして干支を組み合わせて考える場合の基準は1番目の甲子ですが、最も覚えやすい甲子の年は西暦4年です。干支を知りたい年から4を引いたものを12で割った余りが1であれば丑年、4であれば辰年ということが分かります。2018年であれば、2018-4を12で割ると余りが10なので、戌年に当たることがわかります。
戊辰戦争の年号を正しく知りたければ、12の倍数+4+(辰年の)4の下一桁が戊の年の数である8になれば正解です。すると、12*155+4+4=1868というのが求まるはずです。
同様に壬申の乱であれば申年は8なので、12の倍数+4+8の下一桁が壬の2になれば正解です。したがって、12*55+4+8=672というのが求まります。
また、60年ごとに干支が同じになるので、西暦4年の660年後である664年も干支は甲子です。壬申は甲子から8つ後なので、664+8=672という求め方もできます。
いかがだったでしょうか?
ぱっと見はとても難解に見える干支を少し分かったような気分になっていただければ書いた甲斐があるのですが、とはいえドヤ顔で干支を語ると「キモい奴」という称号を与えられる可能性がぐっと高まりますので、使いどころは慎重に。
(さんがつ)
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